妄想と偏見

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【ポケモンORAS】エピソードデルタのことは誰も知らない【感想・考察】

はじめまして、もしくはお久しぶりです。もちかぎです。

今回はエピソードデルタの感想(考察)について書いていきます。

追記:2022/06/14 文言の一部追加、誤字脱字の訂正を行いました。

 

注意(必ずお読みください)

※読みやすさを優先し、本文は~だ・~である調で記載しています。

※誤字脱字があった場合スルーしてお読みください。

※本記事は、オメガルビーアルファサファイア(以下ORAS)と、その無料追加コンテンツである「エピソードデルタ(https://www.pokemon.co.jp/ex/oras/feature/34.html)」について記載しているため、ルビー・サファイア・エメラルド(以下RSE)と比較して書いている箇所はありますが、RSEについて記載している訳ではありません。

※筆者はいわゆるポケモン第3世代のうち、アルファサファイア(以下AS)しかプレイしていません。AS以外の第3世代の情報は実際にプレイしたわけではなく、ネットなどで見た情報となります。

※そのため、ASに準拠した書き方となります。オメガルビー(以下OR)で変更されている点(例:カイオーガグラードンなど)については個人での補完をお願いします。

※自分の思ったことや疑問、考えなどを書いていますが、個人的な考えにとどまることをご理解ください。

※写真は直撮りのため、画質が悪くなっています。

 

背景

エピソードデルタの考察や感想に関しては、すでに様々な人が記載している。シナリオ解説などについての考察・感想などは多くあるが、登場するキャラクターの知識という点から記載したものは見受けられなかった。

目的

エピソードデルタのテーマについて、キャラが知っている知識をもとに、エピソードデルタ感想(考察)、ヒガナの行動原理を書く。

 

エピソードデルタの伝えたかったこと(テーマ)

個人的にだが、エピソードデルタを締める上で、このセリフは総括としてとても優秀だと思った。また、本記事を書くにあたった強い動機でもある。

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チャンピオンリーグに呼ばれたらしいミクリ

「すべてを 知っているもの など この世には 存在しない」、無力さを痛感している友人ダイゴにかけた慰めでもあるのだろう。だが、このシナリオに登場してくるキャラクター達は、主人公やヒガナも含めて全てを知らない。以下は、どのキャラクター達が何を知らなかったのか、その視点からエピソードデルタについて記載していく。

 

ヒガナが知らなかったこと

結論から書くと、「柱には記載されていなかったべにいろのたま、あいいろのたまについての伝承」「自分ではメガシンカさせられないという事実」を知らないのだと考えている。

本シナリオのキーキャラクターであり、RSEでは登場せず、ORASにて初登場したヒガナは、常に真実を知っているかのように振舞う。「想像力が 足りないよ」などのセリフが代表的だ。

元チャンピオンに辛辣

ヒガナ曰く、元々ソライシ博士達がやろうとしていた方法では、必要ない犠牲を出してしまうらしく、流星の民であればそれを避ける方法を知っているとのことだった。ここで明確に、おそらくリメイク前の世界線ホウエン地方であると思われるパラレルワールドホウエン地方(=必要でない犠牲)に言及がされた。この世界線などについては他の人が書かれているため本記事では仔細はスキップするが、ヒガナは本当に全ての伝承を知っているのだろうか。

ものごとを俯瞰しているかのような言動が目立つ

私は、その考えには否定的である。以下、そう思った理由を記載していく。

あいいろのたま、べにいろのたまについて

本編シナリオでは、これらをめぐってアクア団やマグマ団と対立することとなる。アクア団のアオギリもこのたまについては「あの たまは おとぎ話の 中だけの でっちあげ じゃあ なかったって」といったように本当に現存するとは思っていなかったようだ。おくりびやま頂上でこの二つは安置されており、たまの伝承について老夫婦が話してくれるが、グラードンカイオーガの力を抑えたものの1つであると伝わっているようだ(目覚めの祠前のイベントでは、アクア団やマグマ団ですら知らなかったたまについての知識をミクリが零す)。

頂上には前のブログ記事の記載の通り、絵が描かれた壁が壊れており、おそらく空の柱のような高くそびえる壁画のようなものがあったと推測される。

【ポケモンORAS】ルネシティとその関連についてわからないこと、わかること、思うこと - 妄想と偏見 ←ブログのリンク

おくりびやま山頂にある壁画の一部

話を戻すが、空の柱にはこのたまについての言及が一切されない。空の柱に記載されていることが流星の民にとっての伝承であるため(超古代ポケモンであるカイオーガを目覚めさせる手ほどきをアクア団にしていたのはヒガナだが、たまのことを知っているなら隕石から作らせる必要などなく、初めからおくりびやまに向かうはずである。この時点で最低でもヒガナもたまがどこにあるかが分かっていなかったことになる)、流星の民がたまのことを知らないも同義だ。このことについてシナリオのミス(いわゆるガバ)だと言う人が多くいるが、私はそうではなく、どんな理由であれたまについて残したくなかったからだと考える。その理由としては2つ、1つはたまについて記載がされるとレックウザの格が下がってしまうため。2つは、他民族の文化(知恵、歴史)であったため残したくなかった、もしくはその両方あたりが妥当だろう。

まず前者について、レックウザはヒガナやミクリ曰く、ホウエンの守護神でもあった。

ダイゴ曰く、ミクリも古の知恵を受け継ぎ伝える人間のひとりである

流星の民の末裔であるばばさまも、レックウザ様と呼んでいるあたりそうなのだろう。守護神の力だけでなく、たまの力も借りていたなら守護神としてのレベルが低く思われでも不自然ではない。古の流星の民たちはそれを恐れたのではないだろうか。そうなると祀っている流星の民自身の格が下がってもおかしくない。

後者についてだが、個人的に、たまはルネの民が作ったのではないかと考えている(理由は本記事の番外編の欄を参照。前者の理由にもこれは掛かってくるが)。異なる民族がつくった文化だと、同じくレックウザの価値が下げられると同義なので記すことをさけたのではないだろうか。

もし、空の柱を建設した流星の民が本当に将来を憂いていたのなら、どのようなものであったとしてもたまについて記すはずである。また、全人類に柱を開放し、自らの正しい歴史と行いを伝えていくべきである(そうしていたらダイゴ達が隕石をワープさせる方法を採択しないため)。だが実際は流星の民と認められた一部の人間しか入ることが許されない。ここから、過去の流星の民はレックウザを召喚することができる民であるという権利を手放したくなかったのではないだろうか

メガシンカをさせられなかった(=レックウザに選ばれない)ことについて

エピソードデルタのシナリオ終盤、ヒガナは空の柱の頂上にある龍召の祭壇にてレックウザを呼び出すことに成功する。

呼び出すために多くのキーストーンを必要としたようだ(ばばさまの言う七色の岩がないためか、だとしたらなぜこの二人の間で認識がずれているのか)

後はメガシンカをして隕石を壊すだけ、となったところでヒガナのキーストーンは反応しない。レックウザは1000年という長い時の中で力が弱まっていた。

隕石は頻繁に食べないのだろうか。そんなレックウザに絶望するヒガナの後ろで、主人公の持つ隕石が輝きだす。

ヒガナ「まるで……メガストーン!?」

メガストーンと同等の作用をする隕石を食べた結果、レックウザは力を取り戻し、隕石を壊してエンディングを迎える。

ヒガナは確かに呼び出す方法は知っていたが、レックウザがエネルギー不足を起こすということは知らなかった。空の柱にはそのような記載がされておらず、グラードンカイオーガによる1000年前の争いでは、レックウザは2匹の力を吸い取っていたことから、今回のようなエネルギー不足は回避できたのだろう。伝承にないことは知りようがない。

 

ダイゴが知らなかったこと

ダイゴやデボンコーポレーションが知らなかったことはシナリオで述べられている通り、「パラレルワールドホウエン地方の存在」と、ほぼ同義の「必要な犠牲と不要な犠牲」と考えている。

メガシンカの時に発生する莫大なエネルギーを人工的に作り出し、そこをワープホールとすることで解決しようとした

パラレルワールドホウエン地方については軽く触れたが、どうやらORASホウエン地方とは訳が違うようである。以下、それについて言及したヒガナのセリフの引用である(読みやすくするためセリフウィンドウと異なる改行、スペースにしている)。

「この世界とは 似て非なる 別の世界の観測…… そして 確定……」

「そう わたしたちの 住む ホウエンと ほとんど同じ そこに生きる 人も ポケモンも」

「そう 例えば ちょっとだけ ポケモンの 進化の 道筋が 違う メガシンカが 存在しない 世界……」

「3000年前に あの戦争が 起こらず 最終兵器も 作られなかった そんな世界の ホウエン……」

「そこへ 突然 隕石が 現れたらどうなるだろうね?」

「隕石を 壊す 技術も ワープさせる 力も 存在しない 世界の 人々は どうなるだろうね?」

長くなったが、要点を抽出すると、

  • おそらくリメイク前のルビー・サファイア(エメラルド)の世界線である
  • そうでなかったとしても、そのホウエン地方ではメガシンカが存在せず、技術力も劣る
  • XYにて初めて言及された3000年前の戦争と、AZが開発した最終兵器がメガシンカや技術発展に大きく貢献した(≒世界線のターニングポイント)
  • ヒガナの言うホウエンではこの二つがどちらも生じなかった

といった具合か。そしてヒガナはこのホウエンを巻き込むことは不要な犠牲だと思っている様子だ。この犠牲の必要・不要の考え方は流星の民にとってはさほど突飛な内容ではないようで、ばばさまも流星の民が多くの犠牲を目の当たりしてきたこと、より多くの平和が保たれるように最善を尽くしてきたことを話す。そして同時に、ダイゴたちが取ろうとした方法に言及する。

優れたもの=不要な犠牲というわけではなく、多くの平和が保たれることをとしており、そのためならできる限り少ない犠牲を払うといった考えを民単位でしている印象を受けた。現にばばさまはヒガナを止めるような発言をしておらず、ヒガナも「どうすれば 一番 多くの 幸せを 守ることが 考えてきた」と発言していた。

どの犠牲が必要で、どの犠牲が不要なのか

今回落ちそうになっていた隕石は、ヒガナが世界そのものを消滅させるほどの規模だと語っている。

世界ということは、このホウエンだけに留まらず、カントーやカロスなど他の地方さえも危うくなるのだろう。仮に、私達が住む世界で恐竜が滅んだようになるとしたら、ポケモンや人はもちろん生き残ることができない。植物も枯れていくため、自然の一部もなくなる。デボンが最初採用していた隕石のワープでは、別世界線で上記の被害が丸ごと起こることになる。対してヒガナは最初、伝承の通りグラードンカイオーガを目覚めて暴れさせ、そこに降臨するレックウザという図を狙っていた。やがてレックウザがこの二匹を治め、隕石も破壊する運びとなったはずだが、主人公がすぐ捕まえることで被害は抑えることができた。しかし、ルネを中心にホウエン中に大雨が降った。もしこのままカイオーガが活動していれば、大雨による被害は様々あるが、河川の氾濫、土砂災害は免れなかったと思う。合わせてグラードンも復活していたら更に大きな被害が出たことだろう。ホウエンの自然・人・ポケモンには大きなダメージになるが、星が消滅しないことから(やがてこの争いもレックウザが解決するため)、隕石がぶつかって生じる犠牲の多さと比較すれば少ないので(パラレルワールドも認知しているため)、この方法を採択するのも理解できる。

上記の説明を図にしたもの

ここで問題が1つ生じる。なら最初から人のキーストーンを使ってレックウザを降臨させた方が被害が少なく済んだだろうにそれをなぜそれをしなかったかということだ(もしこのようにしていたら、レックウザのエネルギー不足である上に、ヒガナはエネルギーとなるような隕石を所持していないため失敗するが)。この回答としては、「より伝承に近い方法だった(=確実だったため)」と考える。壁画でも口頭でも、いずれもエネルギーを求めてグラードンカイオーガが争っていた。長くなったが伝承にできる限り近い方法で確実に降臨させたい目論見があったと思う。

主人公がカイオーガを捕まえてしまったため、予定を変更する運びになった

今のホウエンはかつてのように、地上に自然のエネルギーが溢れているわけではなく、ホウエンの底にあるエネルギーが露出した状態のため、伝承に則るのなら、1000年前の部分のはずである。「その(ホウエンの底にたまっていた自然の) エネルギーを 求めて ゲンシグラードン ゲンシカイオーガが 目覚めて しまったのだ」と語っているため、この2匹が暴れることによる犠牲はもちろんだが、この底はルネシティに繋がっているため、ルネシティに真っ先に被害が出ることを流星の民たちは理解していたはずだ。ルネシティの犠牲は、星を救うための一番必要な犠牲(=一番避けられない犠牲)だと考えていたのだろう。

 

アクア団(ウシオ)が知らなかったこと

ここではアクア団のうち、エピソードデルタで一番出番があったウシオについて記載するが、その前に軽くアオギリについても記載しておきたい。今回の悪の組織は、シナリオ本編において全てを知っているものなど誰もいないということを示したキャラクターだと感じた。アオギリポケモンにとっての理想の世界を作るため、そのためにすべてを始まりに還そうと(プロジェクトAZOTH)カイオーガを呼び出し、大願叶ったかと思いきや、あまりにもひどい大雨であわや人もポケモンもとても住めないような世界になるところだった。

この計画が失敗したのもアオギリカイオーガの力が分からなかったに他ならない

マツブサの言う通りである

話を戻すが、ウシオが知らなかったことはアオギリではないだろうか。ウシオはこの一件で自省したアオギリが変わってしまったと悲観し、莫大なエネルギーをもったロケットを爆発させようとし、やけくそのような形でプロジェクトAZOTHを完遂させようとした。

しかし、この方法ではプロジェクトは達成できても本懐は達成できない。なぜならポケモン住めなくなるためである。悲観するあまり、すべてを無に還すプロジェクトの根幹を無視したからだ。結局は上記した通り、この企みは未遂に終わり、EDでは仲直りしている。以下そのアオギリのセリフの引用である(一部写真のブレがひどいため)。

「オレは 許さねぇっ! ……オレ自身を だ!」

「テメェの 部下を そこまで 追い込んじまう なんざ……」

「リーダー失格だ…… オレは…… 本当に…… すまなかった ウシオよ……」

「……オレも あらためて イチから 出直すつもりだ」

カイオーガの 一件…… そして 今回の 一件……」

「テメェたち だけの 考えで 閉じてちゃ なにも始まらねぇ」

「アクアだ マグマだ ポケモンだ 人間だ どっちか ひとつを 決める 必要もねぇ」

「面倒でも 恐ろしくても 自分の 知らねぇ 場所に 踏み出し 色んなヤツらと 交わっていく……」

「それが これから 目指していきたい アクア団の カタチ なんだ」

「…… …… …… ……オマエも ついて来て くれねぇか?」

公式サイト(https://www.pokemon.co.jp/ex/oras/character/04.html)のキャラクター紹介にあるように、アオギリは思想こそ変えたものの、まっすぐな気持ちを持ち続け、豪快な性格もなんら変わっていないのだ。ウシオはアオギリの思想が変化したことには気づけたが、信条が変わったわけではないと気づけなかった。ボイス集を作るような熱狂的な部下だからこそ、自分の中だけのアオギリばかりを見てしまっていたのかもしれない。どれだけ知ったつもりでいようとも、相手の全てを知ることはできない。だからこそ互いを共有し、理解し合うことが大切だと彼らは教えてくれる。

エピソードデルタにおける隕石の騒動であっても、ホウエンの人々には未知であり、ヒガナが前のめりだったのはもちろんだが、ヒガナやダイゴがもっと互いを理解しようとしていれば、物事は円滑に進んでいたのかもしれない。

 

ミクリが知らなかったこと

ミクリは登場して早々に知らないことに出くわす。ルネに植わっている大木が、カロスから来た大男から贈られたものだったとシナリオが始まってから知ったのだ。

エピソードデルタでもシナリオ本編でもそうだが、ミクリは知らない・自分ではできないことが多い印象だ。たまについて言及するなどルネの民としてその他ホウエン人が知らない内容を知っていることも多くあるのだが、上記の通り大木のルーツを知らず、レックウザの呼び出し方も知らず、祠に入ることは許されず、空の柱に立ち入ることができないのだ。古の知恵を受け継ぎ伝える人間の一人という役なのに、知らない・できないと言及されていることが(言ってないだけで本当はあると言われればそれまでだが)流星の民のヒガナよりも多い。本ブログを書くきっかけとなったセリフの発言も相まって、ミクリは「知らないことを知っている」と思った。ソクラテス無知の知である。自分が知恵を受け継いできたからこそ、その知恵にないことを知覚する感度が高いのだろうか。

まとめると、ミクリの知らないことは「ルネの大木のルーツ」レックウザの召喚方法」だが、知らないことを知っており、かつ全てを知ることはできないと悟った役回りだと考える。

 

主人公が知らなかったこと

最後になったが、主人公(ユウキもしくはハルカ)の知らないことは、「シナリオの展開」と考える。今まですべてのポケモンシリーズをやってきた人でも、RSEをやったことがある人でも、ORASが初めての人でも、製作した人以外はこのシナリオをプレイする以外知る術はない(ネタバレを見たのなら話は変わるが)。ヒガナがなぜこのようなことをするのか、この出来事を受けたダイゴなど大人たちは今後どうしていくのかは、シナリオをプレイしない限りわからない。シナリオの展開と書いたが、製作陣が公開しない限り、エピソードデルタを制作した意図も、本当に伝えたかったことも分からない。プレイ後に感想を共有しあうのは、わかろうとするための行動の1つかもしれない。

 

最後に

今回はタイトルや背景通り、登場キャラクターの知らないことにフォーカスしてブログを記載した。もしエピソードデルタをプレイしたことがない人が、本記事で興味をもってくれたのならプレイしてほしいし、過去にプレイした人はぜひその感想を他のプレイヤーと話し合ってほしい。話してみると意外に違う受け取り方をしていることがあったりするが、だからこそ面白い。今年の12月にもポケモンの新作が発売されるとのことで、これからもポケモンというジャンルが栄えていてほしい限りである。

 

 

番外編 ルネの民がべにいろのたま・あいいろのたまを作ったのではないか?

こちらはブログの内容の中でも個人の想像によるところが一際目立つため、番外編という扱いにした。「ヒガナの知らなかったこと」で触れたべにいろのたま・あいいろのたまはルネの民が作ったのではないかという推察である。どうしてこのような考えに至ったのか、まずは箇条書きで説明したい。

  1. ミクリ(=ルネの民)がたまについて言及する
  2. ルネに住む住人がおくりびやまとたまについて、おくりびやまとルネシティの関係について言及している
  3. おくりびやまにはたまが安置されている
  4. おくりびやまには壊れた壁画のようなものが確認される
  5. 流星の民が壁画においてたまについて言及していない

主な理由はこの5つである。順を追って説明していきたい。

ミクリ(=ルネの民)がたまについて言及する

ルネの民の表記は、空の柱前のミクリとのバトルで確認することができる(=ミクリのみ明確にルネの民と判明しており、それ以外のルネの住人はルネの民かどうか不明)。本ブログでも触れた通り、ミクリはたまについての知識があるようだ。以下本編シナリオの祠の前で発生するミクリとマツブサのセリフである。

ミクリ「それならば 心配いりません」

「彼の 持つ べにいろのたま…… その 古の力が 彼と ポケモンを守ってくれるはず」

マツブサ「……ムゥ! そうか!」

「確か おくりびやまの 老人たちが 言っていた……」

「あいいろのたまは カイオーガに チカラの 解放…… 即ち ゲンシカイキを もたらし」

「逆に べにいろのたまは それを 治める チカラを もたらすと……」

ミクリはおくりびやまの老夫婦と同程度の知識を持っていることになる。コンテスト会場もないおくりびやまに用事があるとは思えないが、なぜ知っているのか(エメラルドの場合、レックウザのいる場所はどこかという問いについておくりびやまと返答をすると、おばばさまがそういってただろうかとミクリとおくりびやまの老婦人の2人に接点があるような話が聞けるが、ORASではチャンピオンではないため接点を持つ必要がない。もし接点が有れば尚のことこの説を補強するものとなり、どちらであっても良い)。ルネの民がたまの発案者だとすればつじつまが合う。ここで疑問に思われるであろうことは、ルネシティができたのは1000年前であり、それよりも前のグラードンカイオーガの争いには関与していたのかどうかである。結論から言うと不明だが、その場合所謂ルネの民とされるだろう人たちはルネではないどこかにおり、たまを発明し、ルネシティができてからそこの名前を名乗るようになったと考えるのが妥当だろう。

ルネに住む住人がおくりびやまとたまについて、おくりびやまとルネシティの関係について言及している

ルネシティにある家にいるモブキャラクター二人と大木の近くにいる御老体は、タイトル通りのことについて言及してくる。以下引用する(画像が多くなりすぎるため一部省略)。

①西側の住人

弟「おにいちゃん むかし 海の研究を してたんだ」

兄「この ルネシティと おくりびやまは なにかの 関係が あるらしい……」

「むかし いた 研究所で そんなことを 友達と 調べていたよ」

②北側の住人

老人「おくりびやま……」

「頂上にあると 言われる ふたつのたまを ご存じですか……?」

はい を選択

老人「そうですか……」

「片方は ある力を 引き出し 片方は ある力を 抑える ……と 言い伝えられて おります」

いいえ を選択

老人「そうですか……」

「ふたつのたまは 古のころより 自然 人 ポケモン 全てに 深く 関わってきたと 言われております」

奥の老人はわざを教えてくれる

③御老体

御老体「すべての 始まりは 目覚めのほこら すべての 終わりは おくりびやま……」

ポケモンも 人も どこから来て どこへ行くのでしょう……」

モブキャラクターによっておくりびやまやたまについての言及がされる場所もなかなかないのではないのだろうか。それだけ土地に根付いており、ルネの文化であると考える。

おくりびやまにはたまが安置されている

1つ上の内容とほとんど同じだが、おくりびやまと関係があるのなら、おくりびやまに安置されているたまについて知っていてもおかしくはない。なにより、たま自体についての言及が先ほどの老人によってされている。

おくりびやまには壊れた壁画のようなものが確認される

これに関しての詳細は重複するが投稿したブログを参照していただきたい。

おくりびやまの山頂には、一部非対称に置かれた墓と大きな壁が見受けられ、山頂の最も高い場所にたまが安置されている。そしてこの壁にはカイオーガが描かれているのだ。

ヒガナの欄で挿入したものと同じ画像。同じものが複数ある。

このことから、ルネの民達も空の柱のような伝承を残す塔のようなものを作っていたと思われる。自然環境によるものか、争いによるもかは分からないが、壊れたこれを見るだけでは伝承をつたえることができない。しかし、言い伝えを守ってカイオーガによる大雨が降った際、家にこもっていた。なので、流星の民とは対照的に、ルネシティの中に限定されるが形として伝承を残すことはできなかったが口伝えで生きた伝承であり続けている。

流星の民が壁画においてたまについて言及していない

こちらも内容が重複するが、流星の民がたまについて記載していないのはたまについて記載がされるとレックウザの格が下がってしまうため。他民族の文化(知恵、歴史)であったため、どのようなものか分からず、残しようがなかった・残したくなかったため。もしくはその両方のためであると考える。ルネの民がたまをつくっていた場合、これらの理由に合わせると、ルネの民という異なる民族の文化であると発覚するとレックウザの地位が下がってしまう。ルネの民は異なる文化であるため、理解できなかった等となる。

 

理由の説明は以上となるが、まとめると、

  • ルネの住人・ルネの民はおくりびやまやたまについて知識があり、言及する
  • おくりびやまにはたまがあり、壁画らしきものがある
  • よってルネの民・ルネに関係する人間がたまをつくった

となる。

ここで流星の民とルネの民との関係を考えていきたい。本ブログでは、かつての流星の民の思想の可能性として、たまがあるとレックウザの格が落ちるとかんがえたのではないか、と記載した。たまをつくったのが流星の民本人ではなくルネの民であったとしたら、流星の民はルネの民を快く思わないだろう。また、流星の民は空の柱を建造できる民族であったことから、かつて流星の民は栄華を誇っており、ややもすればホウエンを治めていたとしてもおかしくはない。もしこれらが全て正しかったとして、当時の流星の民はルネの民を許すだろうか。おそらく許さなかったからルネの民を祠に入れないようにしたのだと考える。祠は何かを祀る場所であるため、ルネの民がカイオーガを祀っていたのは確実ではないだろうか。たまを発明しているのなら、たまの作用を知っているだろう。たまがないとグラードンカイオーガが鎮めることができないが、その事実が公となりルネの民がのさばることを良しとしなかったため、ミクリはシナリオ本編内で祠に入らないのではなく、入ることを許されていないと明確に発言していることから、流星の民が立ち入りを禁止したのだろうか。


先ほど、おくりびやまにある壊れた壁画について、自然災害によるものか、人為的なものかはわからないが、もし人為的なものであった場合、壊したのは流星の民で間違いないだろう。そうなると、ルネの民がおくりびやまにルネの柱(仮称)を作っていたのは空の柱建設より前(=流星の民が栄えるよりも前)となる。柱を建造できるような力があったとなれば、流星の民が栄えるより前は、ルネの民が栄えていたということになる(重複するが、ルネができたのはシナリオ開始より1000年前である。それより前となるとルネがないことから、別称を名乗っていたと思われるが、ここではルネの民という呼称を用いる)。たまの明確な原材料は不明だが、たまのみという不完全な方法でカイオーガグラードンを鎮めていたからこそ、レックウザ召喚を行った流星の民がその覇権を握るようになったと推測する。その流星の民も今では末裔と呼ばれる人たちによる集まりとなっていくため、どこかもの悲しさがある。

また、カイオーガを本編で捕まえて以降にポケモンの出現する種類が増えたことから、完璧に鎮められなかったからこそかつてのホウエンポケモンの種類が多かったのではないのだろうか。

 

あとがき

本ブログを書くにあたって協力いただいた暮月(暮月 (@kuretuki) | Twitter)に感謝を送ります。